満点の星空の砂漠を歩いて

Pocket
LINEで送る

夜の砂漠を延々歩いたことがある。それはエジプトに住んでた頃の話で、友人とオアシスへ旅にでかけたときでした。

夕食を砂漠の真ん中で食べよう!という趣向のオアシスからのミニツアーで、友人グループ+エジプト人の世話人(料理人と運転手)と出かけた。

オアシスから小型トラックの荷台に揺られて1時間ほど。ゴビ砂漠のような砂山ではなく、荒野のような平らな砂漠。

道はあるものの何度かタイヤが砂にはまり皆で車を押した。日本だったら雪道にはまった車を押すことはあるかもしれないが、それでも日常ではあまり無いのでそのサバイバル感が若者にはなんでも楽しめてしまう。(当時は私も若者だったのさっ)

タイヤがはまりながらの道程でスピードも出ないから1時間弱といってもオアシスからの距離はそれほど遠くはなかったはず。

目的地に到着・・・

といっても特に目印もなく、まぁこの辺りでという感じだったろうか。

とりあえず夕食は世話人が作ってくれるのだけど、煮炊き用の枯れ枝を手分けして皆で集めるように言われる。まぁ苦労するほどのこともなく、枯れ枝があちこちにあるのでポキポキ折って拾い集める程度。

あとは夕日も落ちてだんだん暗くなる中、夕飯を用意してくれるのをのんびり眺めながら過ごした。

食事の内容はあまり覚えてないけど、多分スープとパン、焼き鳥といったメニューだっと思う。皆で薪の火を囲んで非日常のひと時を楽しんだことは覚えている。
砂漠の真ん中で食事

 

それより鮮明にしっかり記憶があるのはオアシスへの帰路だ。

さぁ宿に帰って休もうかとトラックに乗り込み夜の砂漠を走る。。。。

・・・と、少し走ったところでプスン。

エンジンが停まった。キュルキュル。。。。かからない。何度やってもかからない。

運転手はよくあると笑っているがエンジンは虚しく空回りを繰り返すだけ。そこで運転手は一言、「なんとかするから、とりあえず先に歩いて帰ってくれ」と。

なんとここから砂漠を歩いて帰る!!

けっこう距離あるぞ〜・・・というか帰路についてすぐだし・・・本気か・・・・

とは言いつつも、しょうがないし、皆若くて体力もあるので、そんなシチュエーションも楽しめる余裕はあった。非日常の新鮮な経験。一応は最初はぶつくさ言いながら、でもけっこう楽しんで皆てくてく歩く。

道は砂に埋もれているものの、道から外れてしまう心配は無い程度にはちゃんとどこが道かはわかる。オアシスまで一本道なのでそれをたどるだけだから迷う心配はない。ただどれだけかかるやら・・・

その時の星空を忘れられない。手元の懐中電灯以外は明かりもない。

周り一面砂漠に囲まれた夜の砂漠を満天の星空に見守られながら砂に埋れた道をたよりにてくてく歩く。

あの時のなんとも言えない感覚。時間が止まったような異世界に紛れ込んだような日常とかけ離れた空間。

足元に広がる果てしなく続くような広い大地と、それを包み込む広大な宇宙。その広大なものの合間で一瞬どこにいるのかわからなくなる。自分が限りなくはかなく小さく感じられる。静けさ。風の音。砂の香り。星空の美しさ。

あの包まれるような感覚は今でも昨日のことのように思い出せる。状況的には別に危なくもないのだけど、生殺与奪を天が握っていて生かされている感じ。大げさかな(笑)

最近久しくそういう旅はしていないなぁ。また行きたいとしみじみ思う。旅というのは日常では感じられない刺激を与えてくれる。視野も広がる。

旅の経験は人生の財産だと思う。大自然、異なる文化、非日常のシチュエーション。本当に人の心を豊かにしてくれると思う。旅をしよう!

そうそう、結局砂漠を歩いたのは思うほど長くはなかったと思う。エンジンがなんとか復活したらしく途中で拾ってもらえたから(笑) なかなかエキサイティングな経験だったー。

 

投稿者プロフィール

アバター画像
和花二胡奏者&ヒーリング整体&アーティスト
・ヒーリング整体や二胡演奏、アートを通して心と身体の健康を応援します。
・高齢者施設等へのボランティアの訪問演奏承っております。
▶️詳細プロフィールはこちら
Pocket
LINEで送る