ミイラの包帯の巻き方が美しすぎて感動。古代エジプト展2020年秋-冬(愛知県美術館)
ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展
古代エジプト展に行ってきました。今回の見どころである大量のミイラ棺の縦置き展示と、最新のミイラCTスキャン画像の映像展示を楽しみにしてました。
特にミイラはかつてX線で調べられた頃にはわからなかった詳細な画像、しかもCTならではの立体画像が見られるとの宣伝。エジプトオタクな私は当然行かねばなるまい、と。(笑)
そもそも今回の展示はエジプトの博物館ではなくオランダの博物館所蔵のコレクションなので、まずはその博物館からご紹介しましょうか。展示会の公式ホームページからの引用です。
オランダ最古の大学都市ライデンの中心部にあるライデン国立古代博物館は、オランダ王国の初代国王ウィレム1世によって1818年に設立された、200年以上の歴史を誇る博物館です。17世紀前半にライデン大学が所蔵していた遺物を基盤としたエジプト・コレクションは現在約2万5千点にのぼり、ヨーロッパにおける5大コレクションのひとつとされています。
ミイラの作り方
今回の私の感動ポイントをお伝えする前にミイラ作りについてまずざっくり簡単にご紹介。
エジプト人は死者の再生(来世)を信じたけど、そのためには魂が宿る場所として体の保存が必要と考えたためミイラ作りが重要でした。
- 遺体をきれいに洗浄
- 脳を除去
古代エジプト人は魂は心臓に宿ると考えていたので脳は捨てられて終わり。 - 内臓を除去
肺、胃、肝臓、腸の4臓器はそれぞれ専用のカノプス壺と呼ばれる人形の臓器入れに収められる。
心臓は死後の世界に入る途中である『審判』で必要なため防腐処理してから体内に戻す。
真理の女神マアトの羽根(天秤向かって右側)と死者の心臓(同左側)の重さが釣り合うか天秤にかけられ、傾くと右端に控える怪物に心臓が食べられてしまい、二度と転生できなくなるとされた。
- 脱水、乾燥
当初は塩漬けで脱水していたが遺体が大きく損傷するので、後にソーダ水を使うようになったらしい。(天然のソーダ水がナイル川から豊富にとれた) - 防腐剤を塗布
漆喰を塗ったらしい - 整形
内蔵除去で凹んだ部分や眼窩のくぼみなど変形した部分等に詰め物をして生前の姿(もしくは理想の姿?)に近づける。 - 包帯を巻く
このとき護符や装飾品などを所々に巻き込む(死者を守ってくれるように) - 棺に収める
棺は死者の再生を願う呪文などのヒエログリフと絵で飾られていて華やか。
包帯の巻き方が綺麗すぎる
ミイラは4体展示されており、それぞれのミイラの横にCTスキャン映像のモニターが設置してありました。その4体の中に私の目を惹いた一体がいました。他のと比べて包帯の巻きの仕上げがとても綺麗。あんまり綺麗でちょっと感動レベルでした。写真はもちろん撮れないのでイラストで。
他のはぐるぐるっと巻いて終わりという見た目なのですが、この一体はその上から更にもう少し丈夫そうな包帯で縦横斜めと本当に綺麗に巻いてあったのです。
体周りに側面を一周、体の中央を頭から足まで前後に一周、それからたすき掛けのように肩から斜めに、そして最後に横方向に何列か。
形が崩れないようにでしょうか。でも本当に丁寧な仕上げです。
横から見てもその仕事ぶりはとても綺麗。本当に丁寧に大切に埋葬されたんだなってちょっと感動しました。
正直最初女性のミイラ化と思いました。ミイラの見た目がほっそりして綺麗にみえたので。でも男性でした。
裕福で加工賃(下世話な言い方ですね)がけっこう払えたのか、それとも身分が高かったのか、それともとても周囲に愛された人だったのか。想像が膨らみます。
古代エジプト展詳細案内
- 場所:愛知県美術館(愛知芸術文化センター10F)
- 開催期間:2020年9月19日(土)〜12月6日(日)まで
- 開催時間:午前10時〜午後6時、毎週金曜日は午後8時まで。入場は閉館30分前まで。
- 休館日:9/23(水)、10/5(月)、19(月)、11/2(月)、16(月)
- 前売り券:こちらのリンクから ※前売り券は前日までに購入。
- 展示公式ページ:https://leidenegypt.jp/
- 主催:愛知県美術館、中日新聞社、東海テレビ放送、東海ラジオ放送、ライデン国立古代博物館
- コロナ対策:※土日祝日は、事前予約による日時指定制。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入場者数を制限して運営。ただし当日券もあり。(私は日曜15時半ごろに行きましたが当日券で待ち時間なしでは入れました。)
投稿者プロフィール
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・ヒーリング整体や二胡演奏、アートを通して心と身体の健康を応援します。
・高齢者施設等へのボランティアの訪問演奏承っております。
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