シーワ・オアシス(エジプト)〜砂漠と椰子の緑とのコントラストが見事で美しい

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エジプト西方砂漠の最西端、リビアとの国境近くにある巨大なシーワ・オアシス(واحة سيوة‎ )。砂漠のオアシスだけあって、首都カイロなどとは異なる穏やかで静かな時間が流れています。

エジプトには多種多様なオアシスが点在しており、黒砂漠、白砂漠、クリスタル砂漠なんてのもあり、ナイル川沿いの主要な観光地とは別に、個人旅行者の間で砂漠ツアーが人気です。オアシスごとに雰囲気は異なりますが、昔ながらの素朴な生活がそこにはあり、穏やかな人々が多いです。それゆえに保守的な側面もあるので特に女性は服装には注意が必要です。

私がシーワに行ったのは20年も前で当時はまだ写真もフィルムだったので、昔の写真を撮った写真を載せているために画質が相当悪いですがご容赦ください。

カイロからバスで7時間のアレキサンドリア近くのマルサ・マトルーフ(海水浴で人気の地中海沿いのリゾート地)にも寄って1泊して行きました。地中海の青がとても美しく目を奪われました。ここからシーワ・オアシスまでバスで5時間。バスの中では砂が舞い、硬い椅子で長時間ごとごとゆられておしりが痛くなる(笑) 最初感動した砂と岩ばかりの景色にも飽きてぼーっと眺めていると低めの岩場をカーブした瞬間突然目の前に広がった緑のオアシス。

ひたすら続く茶色に慣れてしまった目には、小さな低木の緑さえ輝いてみえるだろうに、目の前に広がったのはジャングルのように椰子が生い茂る光景でした。


遠くにうっすら見える水色は湖です。

ここシーワ・オアシスには大きな湖があるため、その周辺にナツメヤシの林がジャングルのように広がっています。私のイメージにある井戸から水が汲める程度の小さなオアシスとは規模が全く違って驚きました。


オアシス内の町の光景。ひたすらのどかです。


モスクもあります。モスクから流れるアザーン(イスラム教のお祈りへの呼びかけ)が砂漠まで鳴り響きます。


町の中の小高い丘周辺には廃墟の町が見られます。これは昔ベドウィンに襲撃を受けた際に砦や住居を密集して要塞のように建てた町で、今では風化し屋根も落ちて完全に廃墟となっています。しかしこの廃墟が一部ライトアップされ、幻想的な様子が人気で観光スポット化しています。


真ん中にそびえ立つのは「死者の山」とよばれる岩。歩いて簡単に登れますが白骨がゴロゴロしていて驚きました。ここからは町や湖とナツメヤシの広がる緑の景色を一望できます。


周辺の砂漠です。リビア砂漠へと続くこの辺りの砂は赤茶けたさらさらの砂です。ここで夕日をみようと寛ぎながら、ふと砂をさくっとすくってみたら小さな砂薔薇をみつけました。写真はありませんが、砂薔薇とは砂が結晶化してくっつき薔薇のような形態になるものです。この時初めて砂薔薇というものを知りました。


砂漠の夕日。写真で見るとまるで海のようです。


遮るものが無く、人の影がひたすら長く伸びる様が幻想的。


自転車をレンタルして一日中走り回りました。周辺のアモン神殿、小神殿遺跡、クレオパトラ鉱泉など観光スポットを巡り、夕方になってナツメヤシの林を突っ切って湖までやってきました。湖は、青くて巨大です。


観光客らしきカップルが絵になっていたのでこそっとシャッターを切ってしまいました。時間が止まったように穏やかです。

湖からの帰り、1日走り回った自転車がパンクし、仕方なく長距離を徒歩帰り。どんどん暗くなり明かりもない夜道、仲間と一緒とはいえちょっと心細かったです。でもその帰りになんとヘール・ボップ彗星を見ました。1997年に非常に明るくなった彗星で「1997年の大彗星 」と呼ばれていましたが、私がシーワ・オアシスに行ったのはちょうどその97年4月で、周辺に明かりのないオアシスの夜道で、とても明るくはっきりと見えました。

***
余談ですが、行きのマルサト・マトルーフからシーワへ行きのバスは1日2便だったので前日に出発時刻をしっかり調べておき、翌朝30分前にバス停に行ったにも関わらず乗り遅れました。なんで!?と思ったらサマータイムでその日からちょうど1時間早くなっており、なんと30分早く行ったつもりが、30分遅く行ったことになってしまっていました(涙)日本にはサマータイムなんて無いので失念。旅行は下調べが大切ですね。(参考:エジプトのサマータイムは2011年に廃止されています。)

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和花二胡奏者&ヒーリング整体&アーティスト
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