Good Luck/アレックス・ロビラ著〜幸運の掴み方がわかりやすい童話調の自己啓発本

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「運がいい」「運が悪い」はどこで道がわかれるのか。

偶然の産物である「運」というものは実は存在しない。そこには見えない因果関係がある。運と幸運は別物のようです。

こうきりだすと、ありきたりの「人生教訓本」「引き寄せの法則本」かと思いがちですが、本書は童話かファンタジーともいえるわかりやすい短い物語で、幸運を掴む道のりについて、わかりやすい教訓を織り交ぜた物語となっています。

テーマは幸運は自分で掴むものであるということ。

運は、呼び込むことも引き留めることもできない。
幸運は、自らの手で作り出せば、永遠に尽きることはない。


書名:Good Luck
著者:アレックス・ロビラ、フェルナンド・トリアス・デ・ベス
出版社:ポプラ社
初版:2004年

大きい字で100ページほどの30分ほどであっという間に読めてしまう本です。

54年ぶりに運命の再開をした幼馴染の男性二人。仕事も、財産も、すべてを失い変わり果てた友人ジムに、マックスは祖父から聞かされた「魅惑の森」の物語を語ります。それが「運命をわけたクローバーの物語」。

あらすじ

魔術師マーリンが宮廷魔術師だったころに、平和平穏な世で腕を振るう機会がなく不満の積もった王国の騎士たちを集めこうよびかけます。概略すると、「愛、仕事、富、すべての面で限りなき幸福をもたらしてくれるクローバー」が王国より広いとされる大きな森のどこかに7日後に生える。力を示したいものはそれを見つけて手に入れてみせよと。

黒い馬の騎士、白い騎士がそれぞれの方法でクローバーをさがして森を歩き回ります。

次々と展開する各ストーリーごとに一つの教訓が暗喩としてこめられています。各ストーリーの最後にはその教訓がシンプルな言葉にまとめられています。

教訓だけ読むよりストーリーとセットの方がしっくりきますが少し挙げてみましょう。

◯幸運が訪れないからには、訪れないだけの理由がある。
幸運をつかむためには、自ら下ごしらえをする必要がある。

◯するばかりでは幸運は手に入らない。
幸運を呼び込むひとつのカギは、人に手をさしのべられる広い心。

◯下ごしらえを先延ばしにしてしまえば、幸運は絶対に訪れてはくれない。
どんなに大変でも、今日できる事は今日してしまうこと。

◯偶然しか信じぬ者は、下ごしらえをする者を笑う。
下ごしらえをする者は、なにも気にしなくていい。

◯幸運を作るというのは、チャンスに備えて下ごしらえをしておくこと。
だがチャンスを得るには、運も偶然も必要ない。
それはいつでもそこにあるものなのだから。

どれも自己啓発では聞き慣れた言葉だけど、物語を通して聞くととてもシンプルにすっとその概念が心に入ってきます。

おそらく本書で伝えたいことは、天は誰に対しても等しく豊かさを与えようとしてくれている。誰一人も見落とされることはない。ただそれを受け取る下準備をしている人がいるかいないかだけということだと思います。

自らの努力で準備ができている者は受け取れる。受け取れないのには理由があるということ。これは私達をとりまくあらゆることで言えると思います。仕事も家庭も人間関係も全てに。

努力の大切さ

一方で、最近では「苦しまなくていいんだよ」「頑張らなくてもいいんだよ」「そのままのあなたでいいんだよ」という言葉も耳にしますよね。でもこれは別に相反してなどいません。視点の違い、立ち位置の違い、ターゲット層の違いだけです。

「頑張らなくても良い」というのは「ただの怠惰と逃げ」ではなく、頑張りすぎて苦しくなってしまっている人々向けの言葉。だから「頑張る」ことを否定しているわけではありません。

そもそも「努力=つらい」とは限りませんよね。「努力=楽しい」人もいるということ。同じ言葉でも人によって持っている概念が違う。

この本でも、黒い騎士は日毎疑いが増え行動することが苦しくなっていく一方で白い騎士は日々の努力が一歩一歩クローバーに近づいていくようでどんどん楽しくなっていく。クローバーのイメージも日毎に鮮明になってゆく。

ここにももう一つ教訓がありますね。目標とそこへの道程がはっきりイメージできるほど実現の可能性が上がるということ。

「幸せになりたい」と言うとき、ではどうなっていると自分は幸せなのか鮮明にイメージできるでしょうか。お金があれば幸せですか?そのお金をどのように使っていますか?どんな生活になっているでしょう?パートナーがいれば幸せですか?どんな毎日を送りどんな会話をしているでしょうか?どんな環境に住んでいるでしょうか?どんな人々に囲まれているでしょうか?幸せなあなたはどんな仕事をしているでしょうか?幸せなあなたは何に幸せを感じていますか?

こんなパラパラっと読めてしまう小さな本で改めて幸せとは何か足元から考える機会になりました。

大人だけでなく、子供にも読ませてあげたい本です。私はまだ独身で子供いませんけどね(笑)小学生、中学生の夏休みの課題図書などになったらいいのにと思いました。

投稿者プロフィール

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和花二胡奏者&ヒーリング整体&アーティスト
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