詩的で超常的な調べー霊界の楽聖たちが私に授けてくれたものー ローズマリー・ブラン著|音楽家の霊たちが伝えたい霊の永遠性とその意義

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本書は、寡婦ローズマリー・ブラウンが(1916-2001)の自伝的エッセイで、幼少からの霊体験、リスト霊との出会い、曲の受け取り方、作曲家の霊たちとの交流、テレビなどで取り上げられるようになるまでの経緯が語られています。

1960年代から70年代のイギリスでセンセーショナルな話題を読んだ音楽霊媒による、「死後の世界」の不思議に満ち溢れた自伝。これが2014年に邦訳されて日本でも出版されています。

書名:詩的で超常的な調べー霊界の楽聖たちが私に授けてくれたものー
著者:ローズマリープラウン
翻訳:平川富士男
出版社:国書刊行会
初版:2014/11/12
頁数:349

過去の名の知れた作曲家たちがこぞって彼女(著者)を通してあの世から作品を伝えてくる、ちょっとロマンチックだし興味深いですよね。本だと実際に曲が聞けないのが残念。

この事象が本物なのか、彼女が自分で作曲してそう主張しているだけではないのか、数々の調査や証拠検証が行われたようです。ですが、実際彼女は幼少期よりほとんど音楽を学ぶ機会はなく、ましてや作曲し楽譜を書く技術など学んでいません。

なぜ作曲家が選んだのが彼女なのか。それは彼女自信も「なぜ私なの?」と何度も質問したそうです。彼ら(霊人)の言い分は次のようなもの。

リスト:「もしも君(著者ローズマリー)が本当に最高の音楽教育を受けていたとしたら、まったく我々の役に立たなかっただろう。第一に、高等な音楽教育を受けていたら、君が自分で曲を書いたのではないと証明することがずっと困難になっていただろう。第二に、音楽の素養があると、あまりにも多くの観念や自己流の考えを持ってしまい、それらが我々の仕事の妨げとなっていただろう」

彼はさらに、高度な訓練を受けた音楽家はおそらく音楽の経歴を積むことに夢中で、肉体のない音楽家たちとの仕事のために快く時間を割いたりはしないだろうということをも指摘しました。

本文より抜粋

なるほど〜一理ある。霊的なことって否定派は徹底的に理屈こねて否定しますからね。

彼女のことも、「実は幼少期に音楽教育を受けていたがそれを記憶喪失などで忘れたのだろう」などと主張されたそうです。ですが調査で近辺に聞き取り調査をすると、彼女の家庭はとても経済苦で食べていくのにやっとで、自宅でさえ家族が屋根裏に寝て、他の部屋を貸し出して家賃収入を得るなどしないと食事もままならないほど苦しかったようで、音楽教育を受ける余裕はなかったことがわかっています。

私達の世界をすでに去った音楽家たちで組織された一段が、音楽と会話を用いて意思疎通をはかり、地上にメッセージを送ってくるのはなぜか。

それは、霊魂の存在、不滅、永遠性とそのことの示す意義を伝えるため。

この肉体が全てではなく、霊魂なのだと自覚させるため。

「肉体の死とは、その人の個性を保持したまま、ある意識状態が別の意識状態へ移行することである」

この事実に気づくことは、人間が自分自身の本質や、やがて経験しうる天上界活動への洞察を深めてゆく上で、大いに助けになるはずです。

本書より抜粋

死んだら終わりという考えは、そうだから今を精一杯生きようと気になれるという考えもありますが、一方で人々に虚無感や、自分さえ良ければ、今さえ良ければよいという生き方へつながる傾向もあります。

そもそもなぜ生まれたのか。この環境(時代、国、性別、体質、両親兄弟、持っている才能や境遇、障害など)はなぜなのか。何のために生きるのか。この人生に意味はあるのか。この人生で身につけたことはどうなるのか。

そういったこと全てに意味があること、自分で選択したこと、この人生の後に続くもの、この人生が及ぼす地上を去った後の境遇への影響などが納得できるのは、霊性というものを真剣に考えたときです。

そのために、自分たちの存在を知らしめるために音楽家たちがグループを作って彼女にアクセスしてきた。そこに深淵な意図があることに感動を覚えます。

実際に曲を受け取るのは大変だったようです。その作業は痛ましいほどに遅々たるものだったとのこと。

記譜法の知識が乏しかったため、曲を聞かせてくれても楽譜に変換(要するに耳コピ)することはできず、当初は和音を一つづつ口述してもらって書いていったそうです。彼らは、どこで和音になり、その和音を構成する音が何であるのか言ってくれ、調号を指定し、一つ一つの音譜を言ってくれるそうです。

丁寧かもしれないけど・・・骨の折れるなんとも気の遠くなる作業〜(苦笑)。彼女も音楽家たちも双方相当の根気ですよね。もちろんどんどん彼女の受信能力も棋譜能力もどんどん進歩していったわけですけど、それにしてもきちんとした目的意識がないとできないことですよね。感服しました。

この本が人生の意義を真剣に考える人達の一つの励ましになると同時に、人生のその先の生活があるのか半信半疑の方にとって一考する機会となることを願います。

投稿者プロフィール

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和花二胡奏者&ヒーリング整体&アーティスト
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